はじめては全部きみでした。
結弦君と出会ったあの日から三日経つ。
結弦君と出会った公園ことは約束通り誰にも言っていない。
そしていまだにあの公園には行けていない。
本当に行っていいのかって
彼のことを考えるたびにバクバクいう心臓がうるさくて苦しくて
これはなんだろうって
わからない。
「週末映画見に行こうぜ」
「映画かあ、いいね」
啓介は携帯を使って近くの映画館の上映スケジュールを見ている。
「お、これとかどう?」
啓介が見せてきたのは漫画原作の実写映画。
正直私は洋画が好きでこういうのはあまり見たことがない。
でも、初めてのデートになるなら…
「うん、面白そう」
少しくらい我慢してみなきゃ。
「決まりな」
「うん、またラインするね」
「あー、帰るの?」
「?何か用事ある?」
「いや。じゃあまた」
啓介に手を振り家の中に入った。
帰るの?ってなんだったんだろう…
なにかあったのかな。