はじめては全部きみでした。


「聞いてくれて、ありがとう…」

「いや、何も出来なくてごめんな」

「そんな…!謝らないでって前に結弦君言ってたよ。結弦君も謝らないで?」

「…だな」



みんな、普通は彼氏と手を繋ぎたくなるのかな?


私にはやっぱりまだわからないよ。



「泉」

「うん?」

「the roseって曲わかる?」

「わかるけど…それがどうしたの?」

「Some say love,it is a river」



誰かが言う 愛は川のようだと



「泉、人それぞれ恋愛は違うものだけど、俺はやっぱり落ち着くだけの恋は違うっておもう」

「結弦君…」

「喜びだったり悲しみだったり、そういう色んな感情がたくさんあるその中で恋が愛へと成熟していくものだって思う」

「結弦君は彼女と…そういう恋愛をしているの?」

「俺は………枯れた花なんだ」

「枯れた花…」

「水を待ち続けてる。最初は誰だって綺麗な花に一生懸命水をあげるんだ。でも、次第に頻度は減っていって…いまは待ち続けてるんだ」


よくわからなかったけど、結弦君のような素敵な人にこんなに悲しい顔をさせる彼女さんのことを少しだけ憎いと思ってしまった。



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