はじめては全部きみでした。
朝起きても結弦君の感触が唇に残っていた。
啓介との待ち合わせの場所に行くと
今日はいない。
よかった。
そう思った。
「よーし、今日は球技大会の係決めるからなー」
担任の相澤が言った。
「うわ、私絶対やだ」
なっちゃんは露骨に顔をしかめた。
やりたい人は出てこない。
こういう時は…
「じゃああみだくじな」
やっぱり。
そしてーーーー
「はい、じゃあ係は泉日向。よろしくな」
最悪だ。
「ヒナ、大丈夫?私かわろうか…」
「う、ううん!…頑張ってみるよ」
人前で話したことなんてないし
きょどるにきまってる
でも…なっちゃんにかわってもらうなんて、そんなのダメだ。
「今日早速集まりある…」
「行ってらっしゃい」