はじめては全部きみでした。



それから次第に話は盛り上がり、初めてなっちゃん以外の女の子と仲良く出来た。

お互い呼び捨てで呼ぶことにもなった。



話題は恋話へと移り。



「そういえばヒナタって立花くんと付き合ってるって本当?」

「う、うん……楓ちゃん、誰から聞いたの?」

「誰って、超噂だよ!あの泉日向がって!」

「な、なにそれ…」

「だってヒナタ、男嫌いでしょ?」

「うん……そう、かも」




そんな広まっているなんて知らなかった

そもそも、私のことを知っている人がいることにも驚いたというのに




「二人は、いるの?…その、彼氏」

「私も栞里も、別れたばっかり」

「ど、どうして…?」

「私は浮気で、栞里の方が栞里が浮気したの〜」



う、浮気って…



「ねえ、浮気ってどこから…?」

「えー、そんなの彼氏じゃない人と秘密で二人で会ったり…手を繋いだり、それ以上をしたらじゃない?」



経験者の栞里はすぐに答えた。



秘密で二人で会ったり…

手を繋いだり…

それ以上………



結弦君と、私は…



「と、友達の話…なんだけど、それに凄く当てはまる人がいるの…。でも、彼氏に秘密にしている理由はその彼に会えなくなりたくないからなの。手を繋いだり、そ、それ以上……キス!とかしちゃったらしいの。でも、彼氏とはしてないっていうか…できなくて」

「…それ、友達?」

「と、友達!!!」

「ていうかそれ、浮気じゃないじゃん」

「え…?」

「本気じゃん」

「本気って…?」

「好きってこと!」



好きーーーー

好きーーーー

私が、結弦君をーーー?



「だって、話聞いてる感じだと嫉妬もしてるんでしょ?その彼女さんに」

「嫉妬って…」

「たとえば、彼女さんとキスしたりしてるとこ想像して…モヤモヤ〜!ってすること。ヤキモチ。それは好きだから」



今まで彼女と電話している姿を見るだけで
胸が苦しくて、悲しくて

この気持ちは一体何だろうって思ってた



そうか。

私、私ーーーーー結弦君が好きなんだ

結弦君に、恋しているんだ



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