はじめては全部きみでした。
彼女が私と同じことをしているなんて
そんなの嫌だ。
私だけの結弦君がいい。
私だけの結弦君でいてほしい。
そう気づいたら、
結弦君への想いが急に溢れてきた。
今すぐ会いたい。
でも、それと同時に私のしていたことが
啓介を傷つけるってことも分かる。
今、私がしなきゃいけないこと…
「それでは、今日の集まりはここまで」
担当の先生のその言葉を聞いてすぐに立ち上がった。
「楓ちゃん、栞里ちゃん。また次の集まりのときに」
「うん。頑張ってね、ヒナ」
「え?」
「ほら、いきなー!」
よく分からないけど、とにかく今は行かなくちゃ。
ーーー啓介のもとに。
そしてちゃんと言うんだ。
お別れを。