はじめては全部きみでした。


「こっちは私の親友ヒナ!泉日向。いつも話してるでしょ?それからこっちがヒナの彼氏の立花啓介!」



なっちゃんの声がようやく私の耳に響いた。



「は、はじめまして…」



結弦君の目を見ることができず、

俯いた。



結弦君が今、どんな顔をしているのかわからない。




「ヒナ?どうした?」



啓介に言われ顔をあげた。

いけない。

バレないようにしなきゃ…



「ううん…なんでもない」

「じゃあ、いこ!」



結弦君の腕を引いてパーク内へ進むなっちゃん。


…なにこれ。


すごく苦しい…



触らないで…

結弦君に。



そんなこと思っていいはずないのに。


< 60 / 171 >

この作品をシェア

pagetop