はじめては全部きみでした。
「こっちは私の親友ヒナ!泉日向。いつも話してるでしょ?それからこっちがヒナの彼氏の立花啓介!」
なっちゃんの声がようやく私の耳に響いた。
「は、はじめまして…」
結弦君の目を見ることができず、
俯いた。
結弦君が今、どんな顔をしているのかわからない。
「ヒナ?どうした?」
啓介に言われ顔をあげた。
いけない。
バレないようにしなきゃ…
「ううん…なんでもない」
「じゃあ、いこ!」
結弦君の腕を引いてパーク内へ進むなっちゃん。
…なにこれ。
すごく苦しい…
触らないで…
結弦君に。
そんなこと思っていいはずないのに。