はじめては全部きみでした。
雨のち雲
雨予報じゃなかったのに突如降り出した雨の中
公園で結弦君を待った。
何から話そう。
何を伝えよう。
私の気持ちー………伝えても、いいの?
「ごめん、遅くなった」
少し息を切らして来てくれた結弦君。
その姿に愛しい気持ちになる。
「座ろうか」
屋根に隠れたベンチも今日は少し湿っている。
「改めて、自己紹介…するね。私は泉日向…です」
「泉ってずっと下の名前だと思ってた。だから、千代から聞いてた話にいつも出てくる"ヒナ"だとは…思わなかった」
「そうだよね…」
「俺も…うん、五十嵐結弦。同じ高校一年ですぐ近くの北高校に通ってる」
「ずっと年上かなって思ってた…」