はじめては全部きみでした。
黒いベッドに黒いカーテン、絨毯。
結弦君がカーテンを閉めると、部屋は一気に暗くなった。
「俺のこと、見える…?」
「見えるよ…」
そっと唇に触れる。
ーーあったかい
「泉ーーーー好きだ」
結弦君の長くて綺麗な指が髪を撫で、
身体に触れる。
触れられたところが熱くなる。
結弦君。
私、知らなかった。
「ゆ、づ…っ………ぁ…」
こんなに、幸せな痛みがあることを。
「泉………ひなた…っ」
私たちは、結ばれた。
大切な人をーーーー傷つけることを分かっていたのに。