はじめては全部きみでした。
episode6
新学期
「ヒナはやくはやく!始業式始まるよ!」
楓と栞里が手招きをする。
今日から高校二年生。
運良くクラス替えで係で仲良くなった楓、栞里と同じクラスになった。
「今日から同じクラスなんだし、呼び捨てね!」
楓に言われ、二人のことは呼び捨てで呼ぶことに。
二人は、なっちゃんがいなくなりひとりぼっちな私に
係の時何度も話しかけてくれた
もう今では大切な友達だ
結弦君に振られてーーー半年経つ。
最初は毎日苦しかったけど、
もう今は前を向く努力をしているつもりだ
「ねえ、ヒナ。上の学年にかっこいい人が転校してきたんだって!」
そういう話に弱いのは……楓だ。
「わたしそういうの…」
「見に行こ!!!」
結弦君の話は二人にはしなくても分かってくれた。
凄く、感謝してる。
二人がいなかったら、私は今もひとりぼっちだった。
「んー、あ!あれだ!」
楓が指さした先に背の高い噂の転校生。
顔が見えないけど……後ろ姿が結弦君に似ていて、心臓が飛び跳ねた。
「こっち向かないかな〜」
「二人とも、もう行こうよ。ここ三年の階だし…」
無理やり二人を引き連れて戻った。
あの人ーーーーどこかで……?
ううん、私に男の知り合いなんていない。
結弦君に後ろ姿が似ていたから…
そう、それだけ。