はじめては全部きみでした。
「ヒナちゃーん!」
「おはようございます、先輩」
「うん、おはよう。いこうか!」
「なんか…テンション高いですね」
「うん、すっげぇ楽しみ」
今日の先輩はなんだか小学生のように見える。
はしゃぎ方も…可愛い。
出会った時から大人びていたからか
こういう一面を見ると、
先輩も同じ高校生なんだなあと思う。
「こちら、日下部悟(くさかべさとる)さん」
「こんにちは、日下部です」
日下部さんは編集部を案内してくれた。
私が普段読んでいる本の裏側では
作家さん以外のこんなにたくさんの人が携わっているんだ…
素敵。
「今日はありがとうございました」
「またいつでもいらしてください」
得たものはかなり大きかった。
好きなものを仕事にするって
こういうのもあるんだ
自分が本の制作側に携わることができたら……
「どうだった?」
「すごく刺激になりました。本当にありがとうございます」