はじめては全部きみでした。
「先輩。私の話も聞いてもらえますか?」
優しく頷いてくれた先輩。
私は少しずつ、結弦君の話をした。
軽蔑されるかもしれない。
それでも、話を聞いてほしいと思えた人。
それはきっと、先輩が私の行く道を照らしてくれる
太陽みたいな人だから。
話し終えると、涙が溢れてきた。
結弦君の名前を口に出すと、やっぱりまだこんなにも大好きが残っている。
「ヒナちゃん」
優しく私の名前を呼ぶ。
「今度こそ約束する。俺が君を守るから。絶対に君を、泣かせないから」
私の頭を撫でるその手は温かくて大きい。
「ーーーーーはい」