【短編】本日、総支配人に所有されました。
本日の業務が終了し、明日の公休に備えて買い出しに行って来たのだけれども・・・、
重い・・・、とてつもなく重い。
仕事帰りに夜間まで開いているスーパーで買い物をし、食材をあらかじめ持って来た保冷バッグに詰め込み、支配人の住むマンションに移動中。
ホテル勤務の遅番だと夜十時を過ぎる事など当たり前で、夜間まで開いているスーパーは大変有難いのだが・・・正直、行き帰りに不安がない訳ではない。
女性の夜間の一人歩きは危険な事は充分承知なのだが、いつも帰り際にしか立ち寄れない為、仕方なく足を運んでいた。
支配人のマンションと私が住む社員寮は勤務先のホテルの裏側に位置しているが、マンションは社員寮を通り越し、静かな住宅地に位置している。
ホテルの表側は人通りも多いが、裏側はスーパーはあるが、夜遅くの人通りは少ない。
街灯は明るいが人通りが少ないので、背後から近付く足音に怯えてビクッとしながら、自然と早足になる。
まるで追いかけっこのような足音。
私の足音に合わせるかのように、背後の足音も早くなる。
怖いから後ろは振り向けないが、荷物が重くて走れない。
「篠宮っ!」
背後から大きな声で私を呼ぶ声がしたので振り向くと同時に、私の横を誰かが走り去った。
「支配人…?」
「大丈夫か?何もされてないか?」
「………?大丈夫です、けど?」
私を呼び止めたのは支配人で駆け寄って来て、抱きしめられる。
耳元に近い場所で心配そうに呟いて、抱きしめられている腕に力が入り、私は身動きが取れずに両手に持っていた荷物をアスファルトの歩道上に落としてしまった。
グシャリ、と言う鈍い音が聞こえたので卵のパックに何かがぶつかり卵が割れたのだと思う。
重い・・・、とてつもなく重い。
仕事帰りに夜間まで開いているスーパーで買い物をし、食材をあらかじめ持って来た保冷バッグに詰め込み、支配人の住むマンションに移動中。
ホテル勤務の遅番だと夜十時を過ぎる事など当たり前で、夜間まで開いているスーパーは大変有難いのだが・・・正直、行き帰りに不安がない訳ではない。
女性の夜間の一人歩きは危険な事は充分承知なのだが、いつも帰り際にしか立ち寄れない為、仕方なく足を運んでいた。
支配人のマンションと私が住む社員寮は勤務先のホテルの裏側に位置しているが、マンションは社員寮を通り越し、静かな住宅地に位置している。
ホテルの表側は人通りも多いが、裏側はスーパーはあるが、夜遅くの人通りは少ない。
街灯は明るいが人通りが少ないので、背後から近付く足音に怯えてビクッとしながら、自然と早足になる。
まるで追いかけっこのような足音。
私の足音に合わせるかのように、背後の足音も早くなる。
怖いから後ろは振り向けないが、荷物が重くて走れない。
「篠宮っ!」
背後から大きな声で私を呼ぶ声がしたので振り向くと同時に、私の横を誰かが走り去った。
「支配人…?」
「大丈夫か?何もされてないか?」
「………?大丈夫です、けど?」
私を呼び止めたのは支配人で駆け寄って来て、抱きしめられる。
耳元に近い場所で心配そうに呟いて、抱きしめられている腕に力が入り、私は身動きが取れずに両手に持っていた荷物をアスファルトの歩道上に落としてしまった。
グシャリ、と言う鈍い音が聞こえたので卵のパックに何かがぶつかり卵が割れたのだと思う。