ただただ、そこに居たかった。それだけ。
序章
ただただ、そこに居たかった。
例えば雲の上。
例えば海の底。
例えば塩の街。
ソドムもゴムラも怖くない。
振り返っても塩の柱にはならないし、
街みたいに煮えたぎる硫黄の波に飲み込まれてなくならない。
君が居れば、

多分、

コピーとペーストの日々が変わるのだろう。

薄氷の上であろうと。

危険なガスの中であろうと。

真綿で首を閉められても。

どんな時でも、大丈夫なんだろう。

見ているだけでいいから。

話せなくていいから。

きっとこのままでいい。
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