愛想笑いの課長は甘い俺様

天井を見つめながらぼーっと考え事をしていると、腕を組んでふわりと優しく微笑む課長が近づいてきた。


ギシっと軋む音をさせベッド脇に座る。


「心配すんな、全部ちゃんと出来てるから」


そう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でまわした。


「わっ、課長っ?」


いつもと違って、ふんわり優しく微笑む課長。


何その笑顔。

一度も見たことない表の課長の顔だ。


「休んどけ」


ワシワシと撫でる課長の大きな手の温かさが伝わってすごく安心する。

課長の落ち着いた声を聞くと、なぜかほんとに大丈夫な気がしてきた。



「ん?」



「いえ…」



撫でる腕越しについつい課長の綺麗な顔をじっと見つめてしまった。


やば、顔が赤くなってるかもしれない。


恥ずかしくて横を向こうと身じろぐと、伸ばした手が顔の横に置かれ課長の顔が近づいてきた。



「ーーーっ!?」



ギュッと目を瞑ると、私のおでこにコツンと課長の額が当たった。


「熱はないみたいだな」


え?


「顔が赤かったから、またぶり返したのかと思った。なんともないな」


「ーーっ」


「よし! おかゆ出来たぞ。持ってきてやるから少し起き上がれるか?」


「あ、はい…」



心臓がバクバクいってるのが分かる。



どうしたんだろ私。



課長に聞こえなかった…よね。



課長は熱々のお粥を乗せたトレーをこぼれないようにそっと膝の上に置いてくれた。

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