愛想笑いの課長は甘い俺様


月曜日、久しぶりに出社するとみんなが心配してくれた。


業務に支障が出たことを謝ると、風邪だったんだから仕方ないよ気にしないでと気遣ってくれる。


みんな優しいな。


係長にも電話をいただいてたことを謝ってから、課長がいることを確認して課長の席に向かった。



椅子の背もたれに体重をかけて私を見上げた課長は、ふんわり優しく微笑んでくれている。



「先週はご迷惑おかけしてすみませんでした。色々と助かりました」


「良くなったのか?」


「はい、おかげさまで」


「そうか、まぁ無理はするなよ。まだ病み上がりなんだから」


「はい、ありがとうございます。では、失礼します」



いつもと変わりない課長の態度にホッとしつつ、なんとなく寂しくなったのは気のせいじゃない。



愛想笑いじゃない、本当の課長の笑顔が見たいと思ってしまった。





午前中は先週のうちに溜まった仕事を片付けるのに追われていた。



社畜…なんて呼ばれるくらい頑張ってたつもりの仕事も、大半は課長が他の人に振り分けてくれてたみたいで、それ以外の溜まった仕事をこなすのに必死だった。



なんだかんだ言っても、やっぱり課長には迷惑しかかけてないんだと思うと、情けなくなってくる。



憎まれ口叩いても、やっぱり敵わないんだって自覚してしまう…。

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