Perverse
episode 1

「結菜…別れよう」



突然に言い渡された宣告。



「…え…」



言葉を紡げないけれど、私はきっと何処かで予感していたのかもしれない。



「結菜は全部が完璧過ぎるんだ。仕事の話も的確すぎるし、俺に尽くしてくれるけど、それもダメ男だからって言われているようで辛い」



「……」


またか…。



すべて自分から望んできたくせに、それを叶えてしまうと『辛い』と言って離れていく。



「どうしてそんな話を今したの?抱いたあとにするなんて狡いわ」



別れようと言った彼は、ほんの10分前まで私のナカにいた。



別れるのなら、あんなに夢中になって私を欲さないでほしかった。



「ごめん…。結菜のこと、好きすぎるんだよ俺。だから離したくないのにダメ男と思われたくない」



そんな男の戯言、情けない顔で言わないで。

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