Perverse

episode 4


「ついに行動開始するらしいです」



沙耶ちゃんから報告を受けたのは、出張から帰ってきて2日後の夜のことだった。



あれから柴垣くんとは業務に必要な事以外の会話は無く、ぎこちないまま行き帰りが一緒になることもない。



雰囲気が一変してしまった私達を見て、楓と沙耶ちゃんが宅飲みを提案してきたのだ。



私の家に向かう途中の電車で、沙耶ちゃんは不機嫌そうに言うものだから、私は一瞬何のことだかわからなかった。



「何のこと?」



私がそう聞くと、



「竹下さんでしょ?」



楓はそう言って溜め息をついた。



「彼女の周り、味方以外の女は全て敵なんです。それでも男性ウケは最高にいいから強敵ですよ」



確かに竹下さんみたいなタイプの女性は、中間層なく好きか嫌いかの真っ二つに分かれそうだ。



「強敵かぁ…」



今の私にとっての最大の敵は竹下さんではなく自分自身の失言なのだ。



家に帰ると、きっと私は激怒されるに違いない。



人目もあってそれ以上は話を膨らますことはせず他愛のない話をし、近所のスーパーで買い出しをすませた。

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