Perverse
一型落としたからといって売上自体の影響なんて大したことではない。
私が数字を取らなくても、他の誰かがちゃんと上げてくれる。
それよりも今まで築き上げてきた得意先との関係性が崩れる事が大きな問題なんだ。
男性が中心の営業の中で、女の私がここまで来るには、自分の努力だけじゃない。
信頼し任せてくれた相手があってのこと。
なのに『向こうに有ってこっちに無い』なんて。
絶対に許されることじゃないんだ。
売り場に穴なんか開けられない。
物流に連絡すると早速明日朝に全取りしてくれる事になった。
初めての事でどうしたのかと理由を聞かれたけれど、こんなことを人に言えるわけがなく。
ただ『手間を取らせてごめんなさい』と繰り返すことしか出来なかった。
残りも柴垣くんと津田さんの協力あって、何とか数を集めてもらえることになった。
津田さんは決して理由を話さず、柔らかな物腰で丁寧にお願いしてくれて、誰しも渋々ではなく快く了承してくれたそうだ。
「津田さん、柴垣くん。本当にありがとうございました」
もうこの言葉しか思い浮かばなくて、私は何度も何度も頭を下げながら繰り返した。
私が数字を取らなくても、他の誰かがちゃんと上げてくれる。
それよりも今まで築き上げてきた得意先との関係性が崩れる事が大きな問題なんだ。
男性が中心の営業の中で、女の私がここまで来るには、自分の努力だけじゃない。
信頼し任せてくれた相手があってのこと。
なのに『向こうに有ってこっちに無い』なんて。
絶対に許されることじゃないんだ。
売り場に穴なんか開けられない。
物流に連絡すると早速明日朝に全取りしてくれる事になった。
初めての事でどうしたのかと理由を聞かれたけれど、こんなことを人に言えるわけがなく。
ただ『手間を取らせてごめんなさい』と繰り返すことしか出来なかった。
残りも柴垣くんと津田さんの協力あって、何とか数を集めてもらえることになった。
津田さんは決して理由を話さず、柔らかな物腰で丁寧にお願いしてくれて、誰しも渋々ではなく快く了承してくれたそうだ。
「津田さん、柴垣くん。本当にありがとうございました」
もうこの言葉しか思い浮かばなくて、私は何度も何度も頭を下げながら繰り返した。