Perverse
人も疎らだった社内を出て駅へと向かった。
最近ようやく普通に接することが出来るようになってきたと思ったのに。
今は何となく会話を避けてしまう。
迷惑をかけた負い目と、出来事の裏に見え隠れする竹下さんのことで内心ぐちゃぐちゃだ。
「あのさ…」
柴垣くんは口重そうに前を向いたまま呟いた。
「入荷予定表、直接企画から貰ったんだろ?それってやっぱり…」
「柴垣くんっ」
私達の考えていることはきっと一緒。
だけど私は敢えてその先を遮った。
「今回のことで柴垣くんや津田さんには迷惑かけちゃったけど、私にとってはいい経験をさせてもらったと思ってる」
「何言って…」
「本当だよ。思ってるっていうか、思わなきゃいけないのかな」
そう思わなければ苦しいし、同じレベルになってしまう気がするから。
「私ね、企画や物流から与えられる情報を確認することなく鵜呑みにしてた」
今まではそれでいいと思っていたけど。
「人の仕事にミスは付き物なんだって改めて思ったの。だからこそ自分でちゃんと確認することが大切なんだよね」
ニッコリ微笑んでそう言うと、柴垣くんは少し呆れたように笑った。
最近ようやく普通に接することが出来るようになってきたと思ったのに。
今は何となく会話を避けてしまう。
迷惑をかけた負い目と、出来事の裏に見え隠れする竹下さんのことで内心ぐちゃぐちゃだ。
「あのさ…」
柴垣くんは口重そうに前を向いたまま呟いた。
「入荷予定表、直接企画から貰ったんだろ?それってやっぱり…」
「柴垣くんっ」
私達の考えていることはきっと一緒。
だけど私は敢えてその先を遮った。
「今回のことで柴垣くんや津田さんには迷惑かけちゃったけど、私にとってはいい経験をさせてもらったと思ってる」
「何言って…」
「本当だよ。思ってるっていうか、思わなきゃいけないのかな」
そう思わなければ苦しいし、同じレベルになってしまう気がするから。
「私ね、企画や物流から与えられる情報を確認することなく鵜呑みにしてた」
今まではそれでいいと思っていたけど。
「人の仕事にミスは付き物なんだって改めて思ったの。だからこそ自分でちゃんと確認することが大切なんだよね」
ニッコリ微笑んでそう言うと、柴垣くんは少し呆れたように笑った。