Perverse
一度タイミングを逃してしまったら、次なんてないのかもしれない。



頑張ろう。



前を向こう。



気持ちに正直になろう。



そう思ったのに現状は甘くない。



自分に素直になろうと決めた2日後。



私は耳を塞ぎたくなるような噂を耳にした。



「竹下さんと柴垣くんが付き合ってるって聞いた?」



「聞いたよー。竹下さん、隠す気なしだよねぇ」



「ぺらぺら惚気話しちゃってさぁ」



「竹下さんが一人で盛り上がってるだけじゃないの?」



「それがさ、同期の子が柴垣さんに直接聞いたらしいけど、否定しなかったって!」



「うっそ!マジで!?」



帰宅前の女子トイレは愚痴や噂の宝庫。



二人の話で盛り上がる二人の女子社員が出ていくと、私は眩暈がして動けなかった。



付き合ってる?



まさか、そんなはずない。



けれど否定しなかったなんて…。



どういう事なの……?
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