Perverse
episode 6
「…頭いたい…」
カーテンの隙間から漏れる陽の光が鬱陶しくて仕方がない。
それでも体は動かなくて、ベッドの上でごろりと体勢を変えた。
昨夜の二人の後ろ姿が頭から離れなくて、やっと眠りについたのは3時を回った後。
今日が土曜日でよかった。
きっと顔はむくんでいるし、目の下にクマもできていることだろう。
それに。
「目が腫れぼったい…」
自然に溢れる涙は止まらなくて、最後には拭うのを諦めた。
部屋の壁の時計を見ると、針はもうすぐ12時を示すところ。
さすがに起きなきゃ。
のっそりとだらしなくベッドから抜け出ると、少しスッキリさせようとバスルームに向った。
洗面台の鏡が目に入ると。
「ひどい顔」
笑いが出るほどの情けない顔に溜め息が出る。
ゆっくり服を脱ぐと、その姿にあの日の姿が重なった。
柴垣くんに抱かれた朝。
あの日には確かにあった柴垣くんの残した痕。
とっくの昔に消えてしまって何も残っていない私の身体は、今の心と同じようだ。