Perverse
どんなに卑屈な夜を過ごしても、現実は何も変わらない。
自分が取り零してしまったチャンスを竹下さんが勝ち取った。
それだけの事なのに。
どうしてこんなに嫉妬の渦にのまれているんだろう。
熱いシャワーで身体を流しても、心の中の黒さは流れてくれない。
それでも私はシャワーを浴び続けた。
その後は無心で家事をこなし、部屋を徹底的に掃除したけれど気分は晴れない。
干したラグマットを取り込もうとベランダに出て手摺から顔を出すと、右側に柴垣くんのマンションの入口が見える。
こんなに近くにいるのにも関わらず、柴垣くんの部屋が何処なのかすら知らなかった自分が滑稽だ。
ラグを止めている洗濯ピンを外そうとして。
柴垣くんのマンションの入口に立っている人に気付いた。
うちは3階。
遠目でも知った人ならば誰かはわかる距離だ。
私はラグを取り込むのも忘れて部屋に入り鍵をかけてカーテンを閉めた。
「……竹下さん…だった…」
あの姿は…間違いなく竹下さんだ。
どうして柴垣くんのマンションの下に竹下さんがいるのか。
そう自問して、怖くなった私は全ての思考を停止させた。
自分が取り零してしまったチャンスを竹下さんが勝ち取った。
それだけの事なのに。
どうしてこんなに嫉妬の渦にのまれているんだろう。
熱いシャワーで身体を流しても、心の中の黒さは流れてくれない。
それでも私はシャワーを浴び続けた。
その後は無心で家事をこなし、部屋を徹底的に掃除したけれど気分は晴れない。
干したラグマットを取り込もうとベランダに出て手摺から顔を出すと、右側に柴垣くんのマンションの入口が見える。
こんなに近くにいるのにも関わらず、柴垣くんの部屋が何処なのかすら知らなかった自分が滑稽だ。
ラグを止めている洗濯ピンを外そうとして。
柴垣くんのマンションの入口に立っている人に気付いた。
うちは3階。
遠目でも知った人ならば誰かはわかる距離だ。
私はラグを取り込むのも忘れて部屋に入り鍵をかけてカーテンを閉めた。
「……竹下さん…だった…」
あの姿は…間違いなく竹下さんだ。
どうして柴垣くんのマンションの下に竹下さんがいるのか。
そう自問して、怖くなった私は全ての思考を停止させた。