Perverse
「どういう事ですか?」



『きっと明日になったらわかるよ』



何がわかるというんだろうか。



「今日の津田さんは何だか変です」



『ははっ』



電話口で笑った津田さんの思考が全然わからなくて、私は振り回されてばかりだ。



全てのことに笑って誤魔化しているようだけれど、私にとっては全然面白いものではない。



さすがに苛立ってきたが、それを表に出すわけに行かない。



「津田さん、すみません。エレベーターに乗るので切りますね」



私は感情を抑え、抑揚なくそう告げた。



『ごめんね。今日の俺、意味がわからないよね』



「そうですね…」



『でもきっとすぐに線が繋がると思うから。じゃあね、おやすみ』



「おやすみなさい…」



電話を切ると突如襲ってくる喪失感。



それに負けないように早足でエレベーターに乗り、部屋へと向かった。



柴垣くんを追いかけたかった…。



けれどそれも叶わないことに胸が軋む。



部屋番号も知らず、気軽に連絡も取れない。



そんな私達の距離。



もう…終わりにしよう。
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