Perverse
「俺、お前より仕事できるし」
確かに柴垣くんに一度も営業成績で勝てたことはない。
「すっかりお前のこと溺愛しちまってるけど、ちゃんとお前を怒れるし」
私の悪いところをちゃんと把握してくれていて、駄目なところは駄目だとしっかり諭してくれる。
「甘やかすときは徹底的に甘やかすけど、突き落とすときは突き落とせるし」
普段は思い切り私のことを甘やかしてくれる彼だけど、自分でやらねばならないことは絶対に甘やかさない。
柴垣くんはちゃんと私を見て、向かい合ってくれているんだ。
「だから俺は、お前に溺れて駄目になんてならねぇよ」
そう言って私の頬を撫でる柴垣くんを見つめていると、私は少し不安になった。
「私のほうが……柴垣くんに溺れて駄目になっちゃいそうで怖い……」
いつでもどこでもなんにでも、私の活力は柴垣くん。
充電が足りなくなっちゃったら、私の方がダメな女になっちゃうかもしれない。
「もしそうなったら」
「なったら?」
「責任もってお前の全部を引き受けるから、問題ねぇよ」
ふわりと笑った柴垣くんの顔を見て、私は思わず涙が溢れそうになり、慌てて彼の胸に顔を埋めた。
「そのときは……よろしくお願いします」
本当にそう願って漏らした言葉は、「はい、お任せください」とあっさり了承された。
ああ、どうしてここは会社の給湯室なんだろう。
「なんで今から仕事なんだろうな。夜までおあずけなんて、拷問に等しい」
私の気持ちを代弁してくれた柴垣くんを見上げて、私は笑顔で囁いた。
「……夜にたくさん……溺れてね?」
~END~
確かに柴垣くんに一度も営業成績で勝てたことはない。
「すっかりお前のこと溺愛しちまってるけど、ちゃんとお前を怒れるし」
私の悪いところをちゃんと把握してくれていて、駄目なところは駄目だとしっかり諭してくれる。
「甘やかすときは徹底的に甘やかすけど、突き落とすときは突き落とせるし」
普段は思い切り私のことを甘やかしてくれる彼だけど、自分でやらねばならないことは絶対に甘やかさない。
柴垣くんはちゃんと私を見て、向かい合ってくれているんだ。
「だから俺は、お前に溺れて駄目になんてならねぇよ」
そう言って私の頬を撫でる柴垣くんを見つめていると、私は少し不安になった。
「私のほうが……柴垣くんに溺れて駄目になっちゃいそうで怖い……」
いつでもどこでもなんにでも、私の活力は柴垣くん。
充電が足りなくなっちゃったら、私の方がダメな女になっちゃうかもしれない。
「もしそうなったら」
「なったら?」
「責任もってお前の全部を引き受けるから、問題ねぇよ」
ふわりと笑った柴垣くんの顔を見て、私は思わず涙が溢れそうになり、慌てて彼の胸に顔を埋めた。
「そのときは……よろしくお願いします」
本当にそう願って漏らした言葉は、「はい、お任せください」とあっさり了承された。
ああ、どうしてここは会社の給湯室なんだろう。
「なんで今から仕事なんだろうな。夜までおあずけなんて、拷問に等しい」
私の気持ちを代弁してくれた柴垣くんを見上げて、私は笑顔で囁いた。
「……夜にたくさん……溺れてね?」
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