Perverse

のそのそとベッドから出ると、男の名残りを下腹部に感じた。



バスルームに入り熱いシャワーを頭から浴びれば、別れる予定の女の身体を楽しんだ男への苛立ちが心を支配してゆく。



「最低…」



甘えるだけ甘えて、縋るだけ縋って、抱くだけ抱いて。



挙句、好き過ぎる女からダメ男だと思われて後悔されるのが怖いから別れるって。



どんな言い訳だ。



言霊のように、あの時のあの男の言葉が私を縛る。



男を駄目にしてばかりの私は、理想の恋愛なんてできないのかもしれない。



眼光の鋭さ以外、思い出せない男の言葉を、別れたばかりの男の香りとともに洗い流そうと身体に泡を擦り付けた…。

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