Perverse
お花畑に座り込むと絵になるようなフワフワした可愛らしい女の子。



どんな色にも染まれる柔軟性のある子で物腰も柔らかく、誰からも好かれている子だ。



私なんかとは大違い。



「聞いたわよ結菜。昨日また大手の新規開拓したんだって?」



「担当の方がいい方でね。ちょうど新ブランドを探してらっしゃったの」



「あそこって佐々木課長が何度かアプローチしたけど門前払いだったって話よ?さすが有能ね」



「凄いです結菜さんっ!さすが私の憧れの人ですっ!」



「二人とも大袈裟だよ。佐々木課長が足を運んでくれてたから社名を覚えてくださってたのよ」



「まぁた謙遜しちゃって。天狗になってもいいくらいの実績上げてるのに。ま、そこが結菜らしいんだけど」



楓はそう言いながら私のマグにもコーヒーを注いでくれた。



『結菜らしい』



一番仲のいい楓さえそう言ってくれるけれど、私自身はいつも『本当の自分』を模索していた。
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