私の遠回り~会えなかった時間~
リビングのソファに二人並んで座る。

そばにはこないだ中身を見てびっくりした買い物袋もそのままだ。

ゆっくりと彬の顔が近づく。

「木本って奴への嫉妬で知紗をここへ連れて来たなんて、俺もまだまだだな。」

私の唇を彬が舌で嘗めるようにもてあそぶ。

それだけでも顔がほてってくる。

「彬…。」

私はその唇が欲しくてしょうがない。

自分から彬の首に腕を回す。

彬は私の腰に腕を回した。

でも彬の唇は私の耳にキスをする。

「彬、そこじゃなくて…。」

「どこが良いの?」

意地悪そうに、彬の眼はますます細くなっている。

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