私の遠回り~会えなかった時間~
「目をつぶって、俺を感じろ。」
私が返事をする前に、彬は私の唇を塞いだ。
私はゆっくりと目をつぶる。
それと同時にさっき目に溜まった涙が頬を伝った。
「無理はしないから…。」
彬はそう言うと、急に激しく私の唇を吸いだした。
口ごと持っていかれそうなくらい、今までにない激しいキスに、もう私の頭の中は真っ白だった。
いつの間にかめくれあがっている服。
直に触れる彬の手が温かい。
「イヤ…、恥ずかしいよ…。」
私のつぶやきにニヤリとする彬の気配。
「しっかり見せてもらうよ。」
彬の言葉に私はパニックになりかける。