私の遠回り~会えなかった時間~
「えっ…、彬…。」

彬は少し抵抗を試みた私の力などものともせずに、私の服を脱がせていく。

「知紗を…、知紗を見たい。」

私の両手は彬にからめとられ、顔の両横で抑えつけられる。

あまりの恥ずかしさに私は思いきり顔を背けた。

「…知紗、俺を見て。」

少し落ち着きを取り戻した私に彬は優しく言葉を掛けた。

私は顔を正面に向けて、そっと目を開けた。

「きれいだよ、知紗。おとなしく俺のモノになれ。」

彬の男の表情に私は気持ちを完全に持っていかれた。

「彬…。」

思わず出た名前に、彬は茶化したような顔を向ける。

「何だ?知紗。心の準備は出来たのか?」

「まだって言ったら待ってくれるの?」

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