私の遠回り~会えなかった時間~
身体がめりっと音を立てそうな衝撃が一瞬走ったが、彬は私の表情を見ながら慎重に動き出す。

その行為は気持ちが良いとよく聞くが、そんな余裕は私の中にはない。

でも中に彬を受け入れていると思うと、その部分を中心に何か温かいもので身体が満ち溢れて来て…。

「知紗、力を入れるな。我慢出来なくなる。」

一度彬は身体を離した。

「ふうっ。」

思わず私の口から息が漏れた。

下半身がいう事を聞いてくれない感覚。

彬はあの買い物袋を探っている。

「叔母さんが知紗に渡してあるから、ちゃんと結婚するまでは避妊しろって言うんだぜ。」

私は顔を手で覆う。

加代さん、あなたには頭が上がりません。
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