私の遠回り~会えなかった時間~

別の事に意識が飛んでいる私に、彬がまた近づいてくる気配がする。

「俺は別に子供が出来ても良いんだけどな。あの時の知紗にそっくりの女の子だったら最高だ。でも知紗の為にもう少し時間が必要だよな。」

もう一度身体の中心に衝撃が走る。

さっきの様子を伺った彬の動きじゃない。

でも私の身体もそれをしっかりと受け止められるようになっていて…。

「俺達は相性が良いのかな…、それとも気持ちの問題なんだろうか…。」

段々彬の言葉も熱を帯びてくるのが分かる。

それと共にその動きはますます激しくなっていく。

「ねっ、彬、私何だかおかしいよ…。どうしよう…。」

こみ上げてくる衝動に、この感覚をどこかに逃したいのに逃す事が出来ない。

うまく表現は出来ないけど、こんな風に感じた。

「彬、ねっ、私どうなっちゃうか分かんない…。」

もう自分でもうわ言のように声が勝手に口からこぼれる。

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