私の遠回り~会えなかった時間~
「木本さんも…?」

「大丈夫、ちゃんとした打ち合わせだから。」

山本さんが私を気遣ってくれる。

「ねっ、木本君。今日は仕事だから、彼女を口説いたりしないわよね。」

そんな意地悪な山本さんの言い方に木本さんも慌てている。

「二人はそんな関係なの?」

何も知らない久保さんはそんな反応をする。

「違います。」

私のその否定に被せるように木本さんは笑う。

その様子じゃ木本さんは肯定しているみたいに見える。

私は話題を変えようとして久保さんに聞いた。

「こないだはお世話になりました。今回のポスターも久保さんにメイクをして頂けるんですか?」

そんな私の質問に笑って久保さんは否定する。

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