私の遠回り～会えなかった時間～

木本さんと私の事なんて置いてきぼりのようだ。

「俺は山瀬彬の仕事ぶりを間近で見てみたいね。」

意味ありげに笑う木本さんに山本さんは気が付いたようだ。

「木本君、今日は口説くのは無しよ。あなたも何かいい案を出しなさい。」

「はいはい。」

木本さんは山本さんに笑う。

結局、話は盛り上がり過ぎて、時間オーバーとなり私は総務へ戻る。

よし、今から戻れれば、午後の業務にも大して支障はない。

「お帰り、早かったのね。」

すぐさま浜田さんに捕まった。

私の返事を待たずに、浜田さんは話し続けた。

「ちょっと企画室の人達がいつもと様子が違うようなんだけど。何か秘密の業務でもあるの？」

すごく鋭い浜田さん。