私の遠回り~会えなかった時間~
そこに現れたのは、山本さんと木本さん。

「何だろう、自然な感じが良いわね。」

山本さんは自分が思った感想にうまくあてはまる言葉が見つからないと言いながら、こうつぶやいた。

「まだメイクされていないからじゃないですか?」

3人の視線が集中して、私はオドオドしながら答える。

「これはこれで良いのかも。」

木本さんもこちらをじっと見ながら、何やらぶつぶつ言っている。

「おはようございます。」

聞きなれた声がドアの方から聞こえた。

「おはようございます。」

久保さん、山本さんの声が重なった。

一瞬遅れて、木本さんの声がかぶさる。

「知紗、準備は良いか?」

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