私の遠回り~会えなかった時間~
「でも私は知紗の決断は正しいと思うわ。彬さんを縛りたくなかったんでしょう?思う道を行ってほしかったんでしょう?」

彬はしっかり美容院を守りながら、うちの会社のいろんな場面でスタイリストをしているらしい。

会社にいると、そんな風の噂も聞こえてくる。

私だけの専属なんて、そんな狭い仕事はさせたくなかった。

もっと多くの人に彬の技術を使って、幸せを分けてあげて欲しい。

ポスターを撮影した時に、私が感じたように。

あの目の前が明るくなった経験をいろんな人に感じてほしい。

「ありがとう、お母さん。私、もっとしっかりなくちゃね。」














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