私の遠回り~会えなかった時間~
木本さんが少し力を緩めた。

私はその隙に距離を置こうとした。

「き…、」

私の言葉は木本さんの優しいキスにからめとられてしまった。

「…ごめん。」

私から木本さんは自分から離れると、目を伏せて歩きだした。

木本さんの気持ちを嫌というほど感じながら、心の中の彬の面影を追い出せない自分に情けなさを感じた。














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