私の遠回り~会えなかった時間~
今までとは違ったこの余裕の気持ち。

私の心がこんなに晴れ晴れしているのは、いつ以来なんだろう。

空港で迎えてくれた久保さんに私は飛び込んでしまった。

「ど…、どうしたのよ。」

久保さんは目を丸くして、私を何とか受け止めた。

「すべてに決着をつけてきました。」

横で木本さんも笑っている。

「一番いい決着をつけて来られたのね?」

久保さんも自分の事のように喜んでくれているのが分かる。

「私、仕事を頑張って納得出来たら、彬の所へ帰ります。」

私がそう言うと、久保さんは私を抱きしめたまま力を込めた。

「良かったね、良かったね。」

私は久保さんにもとても心配を掛けていたようだ。

















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