私の遠回り~会えなかった時間~
そんな事をもやもやしながら思う。
今まで付き合った人もいない私と釣り合うんだろうか。
しかも6歳年上、恋愛以外でも経験値が違いすぎる。
そこで私は頭を振った。
とにかくここを片付けなくちゃ。
完全に手が止まっている。
私はのっそりと動き出して、お皿を食器棚におさめていく。
使い勝手と見た目を考えながらの作業がだんだん楽しくなって来た。
そしてその食器類もなかなかおしゃれなものばかり。
「もしかして前の彼女とそろえたのかな。」
知らず知らずに私の口から出てきた言葉に後ろから反応があった。
「違う。俺が一人暮らしをする時に、お袋と叔母さんがそろえたものだ。」
私が振り返ると、後ろの入口に腕を組んで寄りかかっている彬さんが居た。
「全く俺の意見は反映されていない。俺はあるものを使うだけだ。」