私の遠回り~会えなかった時間~
彬さんも引っ越しと美容院の開店でまだまだ忙しいはず。

そんな事を思っていると、またラインが届く。

-何時頃来る?-

ああ、もう時間がない。

既読がついてしまったけど、返信はお昼休みにしよう。

私は慌ててスマホを元に戻すと、車を発進させた。

会社の駐車場に無事について、車から降りると声を掛けられた。

「大沢さん?」

いつもの聞きなれた声に私は振り返る。

「おはようございます。浜田さん。」

浜田さんは今私がついている3歳年上の先輩。

仕事以外でもいろいろと親身になってくれる。

「どうしたの?失恋でもした?」

浜田さんは自分の頭を指さしながら、私を不思議そうに見た。

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