私の遠回り~会えなかった時間~

思わず私が唸ってしまったのを見て、浜田さんが話しかけてきた。

そして勝手に私のラインを覗いた。

「浜田さん、見ないで下さいよ。」

私は思わずスマホを伏せる。

「ねえ、それって彼氏からのライン?大沢さんって彼氏いなかったよね?」

何だかとても楽しそうな浜田さん。

「失恋じゃなくて、彼氏が出来たって事だったのね。」

浜田さんは自分で納得したかのようにうなずいている。

「早く返事してあげなさいよ。彼氏の方があなたにかなり参っているみたいね。」

私の不思議そうな顔を見て、浜田さんは驚いたような顔をした。

「そのラインだけで分かっちゃうわよ。きっと彼はイライラしているわよ。」

そして浜田さんはクスリと笑った。

浜田さんに促されて、私はラインを返す。

< 54 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop