私の遠回り~会えなかった時間~
-7時頃にはそちらに行けると思います。-

そう送った途端にすぐ既読になった。

そして…。

「もしもし。」

私は驚いて、反射的にスマホに答える。

「今は少し電話しても大丈夫か?」

もちろんさっきのラインもこの電話も彬さんからのものだ。

「…少しなら。」

私は浜田さんに合図を送って、席を離れた。

廊下の柱の後ろで、ひそひそ声で話す。

「知紗はラインを読んだら、返信は直ぐに送らないタイプなの?」

ちょっと不機嫌そうな彬さんの声。

「朝、スマホは覗いたけど返信するだけの時間が無くて、お昼休みに返信しようと思っていました。仕事中にはスマホは鞄の中だから…。ごめんなさい。」

私の言葉を聞いて、彬さんはスマホの向こうで溜息をついた。
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