私の遠回り~会えなかった時間~
「本当なの?」
「えっと…、私のお母さんの知り合いで…。」
全てのややしい事を省いてそんな風に答える事しか出来ない。
「でも私はその美容師さんがそんな凄い人だって知らなくて…。」
私は食いついてくる木本さんに驚きながら、たどたどしく答える。
そんな様子に浜田さんは助け舟を出してくれた。
「私の可愛い後輩を困らせないで。とにかくこれ以上は秘密。それとこの事は他言無用でお願いね。あなたにしか話していないから、噂でも出たらすぐに分かっちゃうからね。」
すごく怖い顔をした浜田さんは木本さんを睨んでいた。
「浜田を怒らすと怖いからな。了解、絶対誰にも話さないよ。でもその代わり…。」
木本さんはニッコリと笑って、また私を見た。
「今度俺と飯でも行かない?」
「3人でですか?」