私の遠回り~会えなかった時間~
「知紗、これから日曜日はここに来い。美容院を手伝ってくれ。」
私が思わず彬さんの目を見た。
「んっ…。」
待ってましたとばかりに、彬さんに唇を奪われてしまった。
もう何度目のキスなんだろう。
やっとその感覚をじっくりと感じる余裕が出来た。
私、理屈抜きで彬さんと一緒に居たい。
それって…。
彬さんの唇が私から離れた。
でも私の肩に乗っている彬さんの手は離れない。
「彬さん…。」
「何?」
「私…、お腹が空きました。」
私の言葉と共に、お腹が鳴った。