私の遠回り~会えなかった時間~
そのあっさりした感じがちょっと寂しい感じがする。

「そこに叔母さんが買って来た服がある。スーツ姿では窮屈だろう。着替えて来い。」

キッチンから彬さんの声がする。

私は椅子から離れると、奥のリビングのソファの上のまだ袋から出されていない部屋着を見つけた。

薄いピンクのラフなスエットみたい。

確かに着替えた方が楽だけど…。

少し戸惑っている私に、もう一度彬さんの声が掛かる。

「叔母さんに知紗と付き合う事になったと伝えたら、嬉しそうに何だかんだと買い物をして来たみたいだ。」

私は服の横にある買い物袋の中を見た。

一回分の化粧水やらのアメニティグッズ。

あれ…?

「ええっ~?」

私のあげた大きな声に彬さんが反応した。
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