私の遠回り～会えなかった時間～
山本さんは20代後半のキャリアウーマン。

とてもきれいで、素敵な大人の女性だ。

私はその素敵な雰囲気に飲まれていた。

でも山本さんとは初体面のはずなのに、何でこんな反応をするのかな。

私の事を知っているかのようなその様子。

そんな事を感じている私の表情を見て、山本さんがクスリと笑った。

「木本君が本気で追っかけているって、企画室では噂になっているの。木本君は企画室の次期エースだから、みんなが気にしているのよ。」

「えっ？」

私のくるくる変わる表情を山本さんは楽しんでいるように見えた。

「でも全く相手にしないんだって？確かに木本君は今までモテるのに一人の女性に決めない遊び人だったからね。」

今度の私の表情は驚きのものとなっているだろう。

「木本君があなたを気に入ったのが何か分かるような気がするわ。あなたは芯がしっかりしていそうね。」

山本さんの笑顔は柔らかい。
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