【短】恋愛ロマンチスト
「なんで?謝ること、何もないじゃん?不安にさせたの私なんだし…それに」
そこまで言うと、彼女は俺の隣の席によいしょと座り込んだ。
「それに…?」
「ごめん、聞くつもりはなかったんだけど……さっきの告白」
「…あー…ごめん。なんか…」
「違う違う。女の子から告白されてた方じゃなくて。天哉からの告白。凄い嬉しかった」
「…え。ちょ、待って。マジで?あれ聞いてたの?」
「うん。バッチリ」
にこにこ、にこにこ。
あぁ、もう、そんなに可愛く笑われたら、気持ちを抑えることが出来なくなるじゃないか。
「莉夏…?」
「んー?」
「…あ、のさ?」
「……なぁに?」
「……好き、だよ。すっごく」
「…っ?!」
きゅうっと手を握って、そう伝えると普段はクールなイメージの強い彼女の表情が、ぼんっと朱く染まってしまった。