【短】恋愛ロマンチスト

「なんで?謝ること、何もないじゃん?不安にさせたの私なんだし…それに」


そこまで言うと、彼女は俺の隣の席によいしょと座り込んだ。


「それに…?」

「ごめん、聞くつもりはなかったんだけど……さっきの告白」

「…あー…ごめん。なんか…」

「違う違う。女の子から告白されてた方じゃなくて。天哉からの告白。凄い嬉しかった」

「…え。ちょ、待って。マジで?あれ聞いてたの?」

「うん。バッチリ」


にこにこ、にこにこ。

あぁ、もう、そんなに可愛く笑われたら、気持ちを抑えることが出来なくなるじゃないか。


「莉夏…?」

「んー?」

「…あ、のさ?」

「……なぁに?」

「……好き、だよ。すっごく」

「…っ?!」



きゅうっと手を握って、そう伝えると普段はクールなイメージの強い彼女の表情が、ぼんっと朱く染まってしまった。
< 13 / 19 >

この作品をシェア

pagetop