【短】恋愛ロマンチスト
「た、天哉?」
「ん?」
「その顔。他の人に見せたら駄目だからね?」
「へ?」
「もー…この天然たらしめ。私が一生懸命周りの女の子を蹴散らしてるのに、本人に自覚が全くないんじゃ、先が思いやられるー…」
「え?へ?…な、何?」
彼女の言ってることが全く把握出来てない俺は、彼女の「めっ!」という顔にコクコクと頷くことしか出来ない。
「で。気を取り直して。天哉からのお返し…もらえるよね?」
「うん。上手く出来てるか分かんないけど…」
と、恐る恐るリュックの中から、マカロンとキャンディーを入れた箱を取り出して、彼女に手渡した。
その中身を見て、彼女はまた顔を朱色に染める。