【短】恋愛ロマンチスト
「あれ…もしかして、嫌いだった?」
「もうっ!その逆!これ、天哉の手作り?」
「え?あ、うん」
「うそー…ほんとに女子力私より高い…」
「な、なんだよ、女子力ってたかだかお菓子くらい誰でも作るだろー?」
ぷうっと膨れてみせると、それが彼女のツボに嵌ったのか、瞳に薄っすらと涙を溜めて笑い出す。
「むぅ…」
「あはっ…あははっ。ごめ、ごめん。天哉ってば、ほんと天然でさ…好き過ぎる」
「…な?!」
怒ろうとすると、ストレートにそんなことを言われて、今度は俺の方が朱くなってしまう。