【短】恋愛ロマンチスト

「あのさ、ホワイトデーのお返しってさ物によっては、意味があるって知ってた?」

「…ううん?」

「だよねー…それでのチョイスだよね…」


彼女の声は心なしか弾んでいる。
俺は、次の指示を待つわんこのように背筋をしゃんとさせて、彼女の言葉を待った。


「あのね?マカロンには『あなたは特別です』キャンディーには『あなたが好きです』って意味があるんだよ?」

「え?ちょ。待って。それさ、俺もしかしなくても、自爆?」

「そ。天哉はさ、自分で思うよりも全然素直だよ?」



くすくすと笑う彼女の隣で、自然と自分も笑顔になる。

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