【短】恋愛ロマンチスト


ぎゅう


掴んだリュックの中には、この日の為に何度も練習してきたマカロンと、彼女の好きなお店の月替わりのフレーバーキャンディーが入ってる。

そして…少し照れくさかったけれど、自分の素直な気持ちを書いた手紙も準備した。


そう。
朝は、自信たっぷりだったのに。
温度を失くして固まった想いは、足元に転がって砕けてしまったみたいだ…。



カチン、カチン、カチン…



もう、時計の秒針の音なんて聞きたくなくて、耳を塞いで俺は机に突っ伏した。



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